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執筆者の写真shunsuke masui

第三の働き方

更新日:2023年8月30日

少し前に「ブラック企業」「ホワイト企業」という言葉が流行り、騒がれた時期がありました。ブラック企業とは、社員に対し長時間労働や極端なノルマを課し、一方で低賃金、残業代不払い、パワハラなど、コンプライアンス意識が著しく低い企業を指します。


ブラック企業の概念が認知されるにつれ、明らかに社員を使い捨てにする、ザ・ブラック企業は減ってきたように思いますが、その亜種ともいえる「やりがい搾取」企業というものも存在して、こちらは生き続けている気がします。


「やりがい搾取」企業とは、会社が社員に対して、賃金や残業代のかわりに「やりがい」を報酬として意識させて、本来支払うべき賃金を低く抑えている企業です。一時話題になったアニメ制作会社や、ブライダル産業、飲食業、保育サービスなどもその範疇かもしれません。幼い頃からの夢の職業であったり、顧客からの「感謝」がやりがいとなり、働いている本人が、その環境に甘んじてしまうため、中々なくなりません。


一方で、やりがいはそれほど感じられないけれど、やればやっただけ稼げるというタイプの企業も存在します。営業成績に応じてインセンティブが跳ね上がる、外資系生保や不動産営業職などですね。長時間労働など、労働環境は前者同様に好ましくないものの、極端な高報酬を求めて、昔から一定数の人々はこのタイプの企業・業界に身を投じます。実は我々が身を置く人材業界も、エグゼクティブ領域では粗利の●●%がそのまま報酬という企業も多く「高報酬」が働く理由になっている人たちも多くいます。


そして、これらタイプの企業・業界は概して、人材の流動性が高い、つまり人の出入りが激しいです(離職率が高い)。「やりがい」であったり「高報酬」であったり、それぞれ一定の魅力があるため人材を集められるのですが、そもそも無理があるため、体調不良や燃え尽き症候群となり、そこに留まり続けられる人は限られるからです。


思うに、世の中の仕事というのは、程度の差こそあれ、以下のいずれかの方向に振れがちです。


①やりがいのある仕事だけど、お金にはならない

②お金は稼げるけれど、仕事にやりがいがない(少ない)


でも世の中には「第三の働き方」とも言うべき「大変だけど仕事にやりがいがあって、一方、経済的にも十分満足な報酬を得ている」という人々もいます。


私自身、そんな働き方を模索して人生を歩んできたし、現在会社を経営する立場になって、自社の社員にもそうあって欲しいと強く思っています。


私の目指す会社は、社員それぞれが自分の持ち味を活かしてお客様に喜んでいただき、経済的にも十分な報酬を得て、且つ仕事が楽しくてしょうがない、という集団であることです。


そんな働き方はムリだ、と思われますか?私は実現可能だと信じています。少なくとも、その方向に向かって進んでいるという実感があります。


まずは、自分自身で「第三の働き方」を選ぶ、と決めることが大切です。

人生は、自分が求めたものしか手に入りませんから。

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