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執筆者の写真shunsuke masui

業界の歴史

HPにプロフィールを載せていますが、私はもともとはリクルートという大手エージェントの出身です。


エージェント百花繚乱の現在では、リクルートも大手の1社という印象ですが、そもそも「人材紹介」という日本独自のビジネスモデルを創り出したのは同社です。また、今ではあたり前に使っている「転職エージェント」なる言葉を生み出したのも、実は同社だったりします。


私がリクルートに入社した頃は、まだ大手企業は新卒採用一辺倒で、中途採用が一般的ではありませんでした。稀に中途採用をすることがあっても、求人広告が主流という時代で、営業先に行っても、まずは仕組みを理解いただくところからスタートせねばなりませんでした。


認知度が低いためか、情報を右から左に流すだけで儲ける「虚業」のように批判されたり、ネットが普及すれば「中抜き」が起こって、早晩消えゆくビジネスとまで言われることもありました。


しかし実際にネットがあたり前の時代になると、全く逆の状況が生じました。大量の求人情報が氾濫し、むしろ個人が自力で選別することが困難になり、情報を整理・選別してわかりやすく伝える、キャリアコンサルタントの存在価値が高まったのです。


また日本の労働人口がいよいよ減少フェーズに入り、新卒だけでは需要が満たせず中途採用が一般的になったこと、好況期に求人広告の効果が落ちて、成功報酬システムが求人企業に求められたことなどから、「人材紹介」という仕組みが普及していきました。

(規制緩和により、事業者の数が急増したことも後押ししました)


その後もこのビジネスの存在感は高まり続け、現在では、採用においても転職においても「人材紹介会社」「転職エージェント」が一番メジャーな手段となっています。


まだ人材業界などという言葉も存在しなかった頃から、この事業に携わってきた者としては、本当に感慨深いです。


今後、AI時代が本格到来するなど未来のことはわかりませんが、私は、まだまだ転職エージェントの存在は、社会から求められると思っています。


それは、キャリアコンサルタントの提供する価値が、単なる人材情報・求人情報ではなく、そこに「人が介する」意味があると思うからです。


次回は、業界の未来についても考えてみたいと思います。


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