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執筆者の写真shunsuke masui

幸せの条件

皆さんは、なぜ転職しますか?

「年収を上げたい」「やりがいのある仕事に就きたい」等、いろいろあると思いますが、敢えて一言で表現するなら「人生を豊かにするため」「幸せになるため」だと思います。


よって、転職活動では必ず問われる「転職理由」とは「自分が幸せになるために必要なこと」=「幸せの条件」と言い換えることができるかもしれません。


エージェントをやっていると様々な転職理由に出会いますが、実はそれほど種類は多くはなく、ほぼ以下に集約されます。


・給与、報酬

・残業、休日、勤務地

・上司、評価、経営者

・職場の雰囲気、人間関係

・仕事のやりがい、自分自身の成長


これらはやはり、幸福を決める要素である人間の「欲求」によく符合しています。


転職理由で非常に多い、給与、残業時間、通勤(勤務地)、会社の安定性などは、最も基本的な欲求である「生理的」「安全」を求めているものと言えます。また上司、評価、経営者、職場の人間関係などは「社会的」「承認」の欲求であり、仕事のやりがいや自身の成長、社会貢献などは、まさに「自己実現」欲求です。

※参考「マズローの欲求5段階説」


基本的には、低い段階の欲求が満たされていなければ、それらを求めて転職することが多く、低次の欲求が満たされるにつれ、より高次の欲求を求めるようになる傾向があると思います。


もちろん「やりがいがあれば給料は低くても良い」「稼げれば人間関係は最悪で構わない」といった人たちも存在するので、人によって優先順位は異なります。ただ、ここで挙がっていない全く異質な事柄が転職理由(幸せの条件)になっている人というのも、なかなかお目にかかれないのです。


ちなみに転職理由ではありませんが、私も普段から自分の人生を豊かにするもの、幸せの条件を考えています。具体的には以下なのですが、順番にも意味があって、私自身の優先順位が反映されています。


・精神的、肉体的に健康であること

・家族、友人、職場で良好な人間関係があること

・必要十分な経済力があること

・仕事にやりがいがあって楽しんでいること


少し地味かもしれませんが、これらがあれば、私の人生は充実しており、幸せでいられると実感しています。もう十数年前に言語化して、これらがこの順番で実現するように、時には環境を大きく変えることも厭わず、意識してきました。お陰様で「100%満足!」ということはありませんが、それなりに機嫌良く人生を生きていると思います。


そして最近、違う観点で新たに2つ「幸せの条件」があると感じています。まだうまく言語化できていない面もあるのですが、どうも幸せを決める要因として、以下もとても大切であるように思います。


・自分の人生をコントロールしている感覚があること

・目標に向かって進んでいる実感があること


人は「何をやるか」ということ以上に、やることを自ら選んでいる、選択できる自由がある(自己決定)ということが、非常に重要な気がします。周囲から見て大変そうなことであっても、実際に大変なことであっても、自分が好きでやっている分にはストレスは少ないです。


一方で一般的に恵まれた環境であっても、それが自分で選んだ道でなければ、幸福レベルは下がるように思うのです。それが仕事であれ、結婚相手であれ、住む場所であれ、人生を自分でコントロールできている感覚が、幸せの重要な要素なのだと思います。


そしてもう一つ、人生の楽しみは「プロセスを歩み続ける」ことにある気がします。どんなに手に入れたいものであっても、それがモノであれ、環境であれ、実際に手に入れてしまえば、意外に幸福感は長続きしません。


目標を達成した後よりも、目標に向かって努力しているプロセス、そして試行錯誤しながらも、目標達成に近づいているという実感が、最も幸せを感じる状態なのではないでしょうか。


なので最近は改めて、自分で選択できるための「経済的」「時間的」「精神的」余裕を確保することや、なかなか実現できない中長期のゴールを掲げることを意識して生きています。


さて、皆さんの転職理由は、どの段階の欲求を満たすためのものですか?

自分自身が求めるもの、その優先順位が明確になっていますか?


転職は「幸せになる」ために行うものです。

皆さんも「幸せの条件」を、改めて考えてみてはいかがでしょうか?


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